プレナップ指南書(結婚契約書・婚前契約書・婚姻契約書) 最新版

〜 婚前契約書・結婚契約書・婚姻契約書の作成・書き方・法的効果・文例サンプルを徹底解説! 〜

公証役場・公正証書・認証



 公証役場とは?公証人とは?


 公証役場とは公正証書などを作成する公証人がいるところです。公証役場の名称は「○○公証役場」「○○公証人役場」というものが多いですが、地域によっては「○○公証人合同役場」「○○公証センター」などというものもあります。公証役場は、全国で約300か所あります。
 公証人とは、実務経験を有する法律実務家の中から、法務大臣が任命する公務員です。その多くは、司法試験合格後、司法修習生を経た法曹有資格者から任命されますが、高齢の方が多いのが現状です。
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 公正証書とは?


 婚前契約書の公正証書化のお問い合わせが多いのですが、まず、本来の公正証書についてご説明いたします。
 公正証書とは、法律の専門家である公証人が民法などの法律に従って作成する公文書です。 公文書ですから高い証明力があるうえ、執行文書にした(債務名義をつけた)場合は、債務者が借金の支払を怠ると、裁判所の判決などを待たないで直ちに強制執行手続きに移ることができます。 お金の貸し借りや養育費の支払いなどの契約の場合、債務者が支払いをしないときに、本来裁判を起こして裁判所の判決等を得なければ強制執行できませんが、執行文をつけた公正証書を作成しておけば、すぐ強制執行の手続きに入ることができます。
 また、公正証書化のメリットのひとつに、20年間、公証役場で保管され、延長もできる点があげられます。延長がある点は宣誓認証より良い点と言えます。
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 婚前契約書の公正証書化は可能か?


 婚前契約書の公正証書化は可能です。ですが、執行文をつけることはほぼ不可能です。つまり、公正証書のみで強制執行をすることは期待できません。また、内容的にも、一般的に記載するニーズの高い項目である@浮気、不倫の慰謝料、A将来の離婚時の取り決めなどは基本的に公証人が公正証書化を嫌う傾向が強く、私署証書認証や、宣誓認証なら認めるが、公正証書はダメだとされるケースが極めて多いです。
 なので、当事務所でも公正証書化はおすすめしておりません。公証役場での手続きを望まれたお客様は、@公正証書化を優先して、記載内容を妥協してソフトなものにされるか、A記載内容を優先して、私署証書認証や宣誓認証に切り替える、のいずれかになっています。もちろん、公証役場を利用されず、作成のみのご依頼も多いですが。
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 私署証書認証とは?婚前契約書の私署証書認証は可能か?


 公証人の行う私署証書(作成者の署名、署名押印又は記名押印のある私文書のこと)の「認証」とは、署名、署名押印又は記名押印の真正を、公証人が証明することです。つまり、その文書が作成名義人の意思に基づいて作成されたことが推定されます。『この書類は署名した方たちによって作られたものです』と推定されて裁判などで効果を発揮します。
 これを婚姻契約書で用いるのがひとつの選択肢となります。将来離婚裁判となる場合、婚前に交わした約束につき、相手に「そんな約束はしていない」と言わせない効果があります。その結果、契約内容を破り続けた側が不利になる見込みが高くなるので、破り続けた側は裁判離婚を望まなくなりやすく、約束を守ろうとする事実上の効力は高まるでしょう。
 私署証書認証の場合、公正証書化に比べると内容のチェックがゆるくなります。また、公証役場でかかる手続きの事務手数料について、公正証書や宣誓認証の半額ぐらいですむ点もメリットのひとつといえます。
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 宣誓認証とは?婚前契約書でも宣誓認証はできるか?


 公証人連合会の公式サイトによれば、『宣誓認証制度とは、公証人が私署証書(作成者の署名、署名押印又は記名押印のある私文書のこと)に認証を与える場合において、当事者がその面前で証書の記載が真実であることを宣誓した上、証書に署名若しくは押印し、又は証書の署名若しくは押印を自認したときは、その旨を記載して認証する制度』で、宣誓認証を受けた文書を特に『宣誓供述書』といいます。
 もともとは『公証人が、私文書について、作成の真正を認証するとともに、制裁の裏付けのある宣誓によって、その記載内容が真実、正確であることを作成者が表明した事実をも公証するもの』で、後に証言、供述を覆されることを防いだりするためのものです。
   これを婚前契約書に応用させることが認められています。これにより、婚前契約書の内容について後から争わせない効果がかなり強化されるわけです。私署証書認証どまりだと契約を結んだことについての法的効力が強まるだけですが、宣誓認証だと内容の正確性についてまで法的効力を強められます。また、手続きの際、当事者のふたりが宣誓書を読み上げるので、形式的にも婚姻に向いています。
 さらに、宣誓認証の最大のメリットは、私署証書認証と異なり、公証役場で20年間保管されることです。
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